世界の文化や歴史的建造物の保護にあたるユネスコ（国連教育科学文化機関）は侵攻開始直後の3月、すでに危機感を表明していました. 声明で「私たちは“過去からの証言”としてだけでなく、未来の“平和と結束の懸け橋”としてウクライナの文化遺産を守らなくてはいけない」と呼びかけましたが、その後も文化財への攻撃はいっこうに収まりませんでした.

ウクライナ当局は文化財への攻撃は400回を超えると発表していて、被害の実態はまだわかっていないのが実情です.

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認知症の中核症状には以下のようなものがあります. 先述の通り、もの忘れなどの記憶障害が目立ちますが、初期から各症状が少しずつ表れ、並行して進行することが多いです.

老化などが原因で誰でも記憶力は低下しますが、単なるもの忘れとは異なり下記のような特徴があります. 短期記憶ほど失われ、長期記憶は保たれやすい.

一般的な知識や体で覚えたことは忘れにくい 時間や場所、周囲の人々と自分の関係を理解し見当をつける能力を「見当識」と呼び、それが低下するのが見当識障害です. 最初は現在の時間や日付を認識できなくなることが多く、症状が進むと自宅の場所やトイレがどこかもわからなくなります.

1.時間がわからなくなる2.場所がわからなくなる3.人が分からなくなる 計画を立て、工程を効率的にこなす能力が低下します. 同時並行することも苦手になるため、比較的初期から料理や電化製品の使用なども難しくなります.

更衣の順番が難しくなることで、次第に着替え自体を避けるようになります. 物事を素早く適切に理解し、判断することが難しくなります.

急かされなければ適切な理解や判断ができることもありますが、周囲のサポートは必須です. 失行、失認、失語は身体的な異常が見られないにも関わらず、脳神経の障害で認識や理解、動作が困難になっている状態.

他の症状が目立たない初期から失行、失認、失語などが出ることもあり、周囲からは認知症による症状と理解されず、辛い思いをすることも.

2000年代に紛争鉱物問題が取り沙汰されるようになってから、問題を解決するための取り組みが鉱物サプライチェーンの各段階でおこなわれるようになりました. サプライチェーンに沿ってその取り組みを紹介します.

鉱石を袋に詰めてタグをつけるので、「Bagging and Tagging」と呼ばれます. スズ、タングステン、タンタルの鉱山では国際スズ協会サプライチェーン・イニシアチブ（ITSCI）という認証機関がモニタリングとタグの発行をおこなっています.

サプライチェーンの中流にあたる鉱石の製錬／精錬所では、紛争フリーのタグが付いた鉱石だけを扱い、リスクがないことを認証するプログラム（RMAP）の監査に準拠した（comformant）製錬／精錬所を認定する取り組みがおこなわれています. 電子機器企業が中心となって設立した「責任ある企業同盟（RBA・元電子産業市民連合〈EICC〉）」による「責任ある鉱物イニシアチブ（RMI・元紛争鉱物フリー推進イニシアチブ〈CFSI〉）」が製錬／精錬所の監査をおこない、comformantと認定された製錬／精錬所はリストに登録してウェブで公開します.

2010年に制定された米国金融規制改革法（通称ドッド・フランク法）の1502条は、スズ、タングステン、タンタル、金の4鉱物（3TG）を紛争鉱物として指定し、米国証券取引委員会（SEC）に登録している上場企業に対して、 1. 自社の製品の機能または製造に3TGが必要かどうかを調査し、使用する3TGの原産国を調査すること2.

これによって米国企業によるサプライチェーンをさかのぼっての紛争鉱物調達調査が始まり、毎年約1000社が報告を提出しています（参照：）. アメリカ企業のサプライチェーンは全世界に広がっているため、日本を含む多くの国の企業が調査に参加することになりました.

さらに、2018年に企業の報告は義務ではなく任意に変更されたため、強制力はなくなりました. OECDは、「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」（OECDガイダンス）を2010年に公開しました.

ドッド・フランク法1502条がコンゴとその周辺国に対象地域を限定し、conflict free supply chainを掲げているのに対して、OECDガイダンスは紛争地域および高リスク地域（CAHRAs）というより広い範囲に適用される可能性を持つ一方で、conflict risk-managed supply chainという緩やかな目的を掲げています. EUは2017年に紛争鉱物規則を制定し、2021年から全面実施を開始しました.

日本には紛争鉱物に特化した法律や規則はありません. ですが、日本もOECD加盟国であり、また、欧米の企業と取引をするためにはサプライチェーン調査の実施が求められます.

紛争鉱物に指定された3TGの主要な用途が電子機器であることから、電子情報技術産業協会（JEITA）は2012年に「責任ある鉱物調達検討会」を設立しました. 47企業が検討会メンバーとして活動し、日本の企業が紛争鉱物調査を適切に実施できる仕組みを整えています.

そのため、RMIが作成した「統一フォーマット（CMRT）」を使用して各企業が適切に回答できるよう企業を支援したり、説明会を開催したりしています. 前述の鉱物調達調査の実施に加えて、欧米の紛争鉱物取引規制が各企業の取り組み強化と体制づくりを求めていることから、3TGを扱う日本の企業は責任ある鉱物調達に関する方針を定め、自社のウェブサイトで公開しています.

電子機器企業、産業機器企業、自動車企業をはじめとして製造に携わる大部分の企業が自社の取り組みを公開していることがわかります. 紛争鉱物問題は、製造に携わる企業だけの問題ではありません.

そこで、消費者市民にも紛争鉱物問題の現状を知ってもらうために、啓発活動をしている市民団体があります. 例えばNPO法人アジア太平洋資料センター（PARC）が中心となって設立した「エシカルケータイキャンペーン実行委員会」はコンゴの鉱山を取材し、DVD『スマホの真実―紛争鉱物と環境破壊とのつながり』を制作しました（参照：）.

コンゴで住民の自給食料の確保や職業訓練による収入向上などの支援を行っている認定NPO法人テラ・ルネッサンスは、活動報告などを通じて日本で情報発信をしています（参照：）. アフリカ研究者を中心とし、筆者が共同代表を務めるNPO法人RITA-Congoは、コンゴにおける鉱物採掘と性暴力などの深刻な人権侵害のつながりを研究し、日本で情報発信しています（参照：）.